Be the sun that illuminates all

NHKの朝ドラは「おひさま」・・太陽の陽子ちゃんが主人公です。どんな時でも明るく元気な女性の物語です。
わたしは、「陽子ちゃん」というと同じ名前のひとつ年上のおさななじみを思い出します。
陽子ちゃんには、すこし障害のある弟くんがいました。 なのでいつも陽子ちゃんはどこへ行くにもその弟くんを乳母車にのせてつれていき、ほんとうに献身的に面倒をみていました。 わたしは、こどもごころに「陽子ちゃんはほんとうにえらいなぁ」と思っていました。 小学3年生のある日、近くの公園にサーカスがきました。 学校から団体でそのサーカスを見に行きました。生まれて初めてみたサーカスはほんとうにすてきでした。 そこで帰りに割引券をくれました。 当時300円くらいの入場料が半額になる割引券です。なぜそんなことになったのか詳しくは思い出すことはできませんが、わたしは、その割引券と自分の全財産をはたいて、まだ幼稚園に通っていた妹と陽子ちゃんの弟くんをサーカスにつれていったのです。子供だけの大冒険でした。 いつも陽子ちゃんが面倒をみているのでその日はわたしが弟くんを喜ばせてあげたかったのです。 案の定、幼い妹も弟くんもサーカスにびっくり仰天し、ほんとうに楽しそうでした。
意気揚々とふたりをつれて家に帰ると、鬼のような形相の両親と泣きそうな顔の陽子ちゃんのお母さんが待っていました。 「サーカスにいってきます」のかきおきが、子供だけで行くわけがないと、誘拐騒ぎになり、もう少しで捜索願いがだされるところだったそうです。(泣)そのあとのことは想像どおりの展開です。 しばらく外出禁止をくらい、陽子ちゃんには絶好されてしまいました。 わたしは、とんでもないことをする子供というレッテルをはられてしまい、子供だったので、ほんとうの想いを両親や陽子ちゃんとその家族に伝えることができませんでした。でも今でも興奮さめやらぬ帰り道でみた幼い2人の輝く笑顔をはっきりと思い出すことができます。 どんなに叱られてもその笑顔がわたしを幸せな気分にさせてくれました。 陽子ちゃんは学校の先生になり、遠くへお嫁にいったので、もう何十年もあっていませんが、いつかあの時のことを謝って色々話したいなぁと思うことがあります。 「サーカス」と「太陽の陽子ちゃん」のキーワードは、わたしの胸の奥を今でもチクリと刺します。 幼い友達の笑顔がみたかっただけだったのに。曇りの日も雨の日も空の上には、太陽がいつも輝いています。わたしもいつかそんな陽子ちゃんみたいな存在になりたいと漠然と思っていた幼いころのちょっぴり悲しかった思い出です。☀